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明治6年創業の老舗のそば屋

黒っぽい“肥後そば”が自慢。しっかりしたコシと香り豊かなそばを、多彩なトッピングで味わう

ショップ&グルメ

こう蒸し暑い日が続くと、ツルツルッとのど越しのいいそばで涼みたくなりますよね。そんな時におすすめのお店が新町のそば処『政木屋』です。

創業当時からこの場所で営業している『政木屋』

新町には明治から続く老舗が多いのですが、ココ『政木屋』も明治6年に創業。「うちのひいひい婆ちゃんがはじめた店。ご維新で商売が厳しくなったため、そば打ちが得意の初代がそば屋を始めたと聞いています」と教えてくれたのは、5代目のご主人・正木譲さん。そば屋の前は染め物屋や古本屋などを営んでいたそうで、ゴツい金具とすべての引き出しに鍵穴が付いた年代物の箪笥(タンス)が商家の面影を残しています。

落ち着いた雰囲気の店内

店内で存在感を放つ年代物の箪笥

さて、お目当てのおそば。こちらの名物は「肉そば」なのですが、あまりにも暑くて、冷たいメニューの「鉢もりそば」をオーダー。「最近生まれたメニューなんです」とご主人もおすすめしてくれましたが、最近といっても30年ほど前のことだそうで……老舗あるあるです(笑)。

「鉢もりそば」は、冷たいそばの上にエビ天、野菜の天ぷら、たまご焼き、かまぼこ、シイタケの含め煮を乗せた具だくさんの一品。ちなみに、冷やし中華をイメージして作ったメニューで、盛り付けも冷やし中華風です。冷たいメニューも1年中提供しているそうなので、夏を逃しても「鉢もりそば」が味わえますよ。

「鉢もりそば」1100円。天ぷらはサクサク、たまご焼きは出汁がきいて、シイタケの含め煮も優しい味と、具材の一つひとつに丁寧な仕事ぶりを感じます

ツルッとコシのあるそばは、普段食べるそばに比べると少し黒っぽく見えます。ご主人に聞くと、そば殻が混じった粉を使っているためだとか。熊本では昔からそばを食べる習慣があり、当時からそば殻が混じった黒いそばが主流だったといいます。

『政木屋』のそばは、熊本のそば粉を100%使用した二八そばです

明治26年、第六師団長として熊本に滞在した北白川宮能久親王殿下も『政木屋』のそばを食された…と書かれた書。当時の主人が栄誉に思い、書家に書かせたそうです

ちなみに名物の「肉そば」は、馬肉を甘辛く煮た甘露煮をトッピング。熊本では「肉といえば馬肉」というだけあって、昔からあるそば屋さんでは、馬肉を乗せた「肉そば・うどん」が味わえるとのこと。

『政木屋』では、「肉そば」のほかにも、馬肉の甘露煮をごはんに乗せた「肉めし」、馬肉の甘露煮とエビ天をトッピングした「運そば」も人気です。手軽なそばや丼物で老舗の味が楽しめるのも新町の魅力。ご主人から聞いた明治の頃のお店の話も、自慢のそばをより味わい深くしてくれました。

【2017年7月の情報です】

名代肥後そば 政木屋

  • 所在地:熊本市中央区新町1-9-12 地図
  • 営業時間・定休日:営業時間/11:00~15:00、17:00~19:30 定休日/水曜日

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